
オーボエ 初心者が100%挫折する?「難しさ」と「コスト」の不安を解消しましょう。
「オーケストラの華」と呼ばれる、あの哀愁ある音色に憧れて「オーボエを始めたい」と思っている初心者の方へ。
「世界一難しい楽器って本当?」「リードっていう部品が鬼門らしい」「楽器が高すぎて、もし挫折したら…」
そんな不安から、最初の一歩を踏み出せずにいませんか?
特に「数十万円の楽器を買ったのに、音が出せず挫折する」という、“知っていれば避けられた失敗”だけは絶対に避けたい。
あなたは今、そう強く思っているはずです。
この記事は、無責任に「大丈夫」と背中を押すものではありません。
オーボエの「難しさ」の正体をロジカルに分解し、初心者が直面する「挫折ポイント」を具体的な方法論で「回避」するための、戦略的なガイドです。
●この記事を読むメリット
- オーボエが「なぜ難しい」のか、本当の理由がわかります
- 挫折の9割を占める「リード」の具体的な扱い方がわかります
- 楽器選びの基準と、隠されがちな「本当の総コスト」がわかります
- 挫折しないための現実的な「最初の30日」練習ロードマップが手に入ります
- オーボエに向いてる人や独学の可否など、あらゆる疑問が解消します
大丈夫です。この記事は、オーボエ初心者が抱える「不安」を「具体的な対策」に変えるための、ロジカルな「挫折回避ロードマップ」です。
「知らなかった」で後悔する前に、ぜひ最後までご一読ください。
オーボエはなぜ難しい?挫折3大原因を解説

オーボエ初心者が抱える「なぜこれほど難しいと言われるのか」という根本的な不安を解消します。ここでは、その難しさの正体である「ギネスの噂」「リード問題」「息の使い方」という3つの原因を深掘りします。
「世界一難しい」は本当?ギネス認定の噂
「オーボエは世界一難しい楽器としてギネスブックに認定された」という噂を聞いたことがあるかもしれません。
この噂は、その難易度の高さを象徴する言葉として広く知られていますが、ギネスブックの公式記録として「世界一演奏が難しい木管楽器」という項目が実在したかは、現在では確認が難しい状況です。
しかし、この噂が広まること自体が、オーボエという楽器の特異な難しさを物語っています。
その重要性と難易度の高さは、プロの世界でも別格扱いです。ソニー音楽財団の創設者である大賀典雄氏は、オーボエについて「オーケストラの質を決める」と評しました [引用元:ソニー音楽財団 国際オーボエコンクール] 。
オーケストラ全体のチューニング(音合わせ)を担うことからも分かる通り、オーボエは「格調高い」だけでなく、アンサンブル全体を支える「責任重大な楽器」であり、だからこそ高い技術が求められるのです。
挫折の9割は「ダブルリード」の扱いにあり
オーボエの難しさの核心、そして初心者の挫折の9割は「ダブルリード」という発音パーツの扱いにあります。
ダブルリードとは、葦(あし)という植物から作られた2枚の薄い板を重ね合わせたもので、これを振動させて音を出します。この仕組みが、他の管楽器(例:クラリネットやサックスのシングルリード)と決定的に異なります。
では、なぜダブルリードが挫折の原因になるのでしょうか。
- 1. 非常に繊細で「生き物」である:葦(植物)でできているため、湿度や気温によって日々コンディションが変わります。昨日まで鳴っていたリードが今日は鳴らない、というのは日常茶飯事です。また、先端は非常に薄く、少しぶつけただけで欠けてしまい、数千円のリードが使えなくなることもあります。
- 2. 音を出すこと自体が難しい:2枚のリードの「開き」を唇で適切にコントロールし、そこに息を吹き込まないと、音自体が出ません。初心者はまず、この「ピー」という音を安定して出すことに苦労します。
- 3. 高価な「消耗品」である:リードは1本あたり数千円もしますが、練習頻度にもよるものの、寿命は数週間から1ヶ月程度です。常に良い状態のリードを複数本(最低3本推奨)持っておく必要があり、継続的なランニングコストが発生します。
プロのオーボエ奏者は「演奏時間よりリードを調整している時間の方が長い」と言われるほどです。この「楽器本体の技術」とは別次元にある「リードの管理」こそが、オーボエ初心者にとって最大の壁となります。
必要なのは肺活量より「息の圧力」
「オーボエは息が続かない」「ものすごい肺活量が必要」というのも、よくある誤解の一つです。
確かにオーボエは多くの息を使いますが、必要なのは「肺活量の多さ(息の量)」よりも「息の圧力の高さ(息のスピード)」です。
なぜなら、前述のダブルリードの先端の隙間は非常に狭く、その狭い隙間を効率よく振動させるために、細く、鋭く、安定した圧力の息を送り込み続ける必要があるからです。
実は、初心者が陥りがちなのは「息が足りなくなる」ことではなく、「息が余ってしまう(うまく吐ききれない)」という苦しさです。
息がスムーズに楽器に入っていかないため、肺に空気が残ったまま苦しくなってしまうのです。これを解決するには、正しいアンブシュア(口の形)と、息の圧力をコントロールする「腹式呼吸」の技術が不可欠となります。
オーボエリードの挫折回避サバイバル術

オーボエ初心者の挫折の9割は「リード」にあります。このセクションでは、その最大の壁を乗り越えるため、リードの選び方から水に浸す時間、NGな扱い方まで、具体的な「サバイバル術」を徹底解説します。
初心者向けリードの選び方とおすすめ商品
まず、リードには「硬さ」がありますが、初心者は「柔らかめ(ソフト)」を選ぶのが鉄則です。息が入りやすく、音を出す(鳴らす)ための抵抗が少ないためです。
そして、リードは消耗品であり、個体差(当たり外れ)も大きいため、購入する際は必ず最低3本を同時に用意してください。
なぜ3本必要なのか?
- リスク分散(破損): 非常に繊細なため、練習中に先端を欠けさせてしまうことがあります。予備は必須です。
- 個体差の確認: 3本あれば、その中で「鳴りやすい(当たり)」リードを見つけられます。
- ローテーション: 1本を使い続けると寿命が縮まります。複数本をローテーションさせることで、リードを休ませ、長持ちさせることができます。
「どれを選べばいいか分からない」という方のために、楽器専門店などが初心者向けに推奨している、実績のあるリードを紹介します。
初心者におすすめのリード(例)
- くわなが『KUWANAGA』
- 特徴: 山野楽器などが推奨する、初心者向けの定番リードです。息がスムーズに入りやすく、軽い吹奏感でコントロールしやすいのが特徴です。
- 鈴木リード製作所 BELLWOOD
- 特徴: こちらも初心者向けとして定評があり、比較的鳴らしやすくバランスの取れたリードです。
【重要】リードの正しい準備(水に浸す時間)
購入したリードは、乾燥した状態では音が出ません。練習前には必ず水に浸して湿らせる必要がありますが、ここが最初の、そして最大の挫折ポイントです。
水に浸す時間は「20~30秒」
小さな容器(専用のケースやフィルムケースなど)に常温の水を入れ、リードの糸が巻いてある部分まで浸します。
時間は絶対に「20~30秒」を守ってください。
よくある致命的な間違い
初心者が最も陥りがちな失敗が、「しっかり湿らせよう」として水に10分や15分も浸けっぱなしにしてしまうことです。
これは絶対にNGです。葦が水分を吸いすぎてリードが過剰に開いてしまい、息が全く入らない、重くて鳴らない「死んだリード」になってしまいます。
リードの「開き」を確認する
水から出したら、リードの先端の「開き」をチェックします。理想は0.5mm~1mm程度です。
もし開きすぎている(閉じすぎている)場合は、指で優しく先端をつまんで調整します。
やってはいけないNGな扱い方と保管方法
リードは非常に高価(1本数千円)で、かつ繊細です。以下のNGな扱い方を避け、寿命を最大限に延ばしましょう。
NGな扱い方
- 先端を指で触る、ぶつける:リードの先端は非常に薄く、人間の髪の毛よりもデリケートです。指の油が付着したり、何かにぶつけたりすると、一瞬でバランスが崩れ、音が出なくなります。
- 長時間水に浸ける:前述の通り、リードが開きすぎる原因になります。
- 楽器ケース付属のプラケースに入れっぱなし:練習後、リードを湿ったまま楽器購入時に付いてくるプラスチックケースに戻すのはやめましょう。湿気がこもり、カビが生えたり、リードが変形したりする原因になります。
正しい保管方法:必ず「専用リードケース」を使う
練習が終わったリードは、水分を軽く拭き取り、必ず通気性の良い「専用のリードケース」に保管してください。
リードを適切な湿度で管理し、休ませることが、リードのコンディションを保ち、寿命を延ばす唯一の方法です。
リードだけで音を出す「ピー」の練習
水で湿らせ、開きを調整したリードは、いきなり楽器に装着してはいけません。
その前に、「リード単体で音が出るか」を必ず確認します。
正しいアンブシュア(口の形)でリードの下唇にのせ、息を吹き込みます。
この時、「ピー」という甲高い音(音程でいうとBまたはCの音)が安定して出れば、そのリードは正しく鳴る準備ができています。
もしこの「ピー」という音が出ない場合、そのリードは楽器につけてもまず鳴りません。
開きを再調整したり、水に浸す時間を変えたり、あるいは(残念ながら)そのリードが「ハズレ」である可能性を判断します。
このステップを踏むことで、「楽器が悪いのか」「自分が悪いのか」ではなく、「リードが鳴る状態か」という問題の切り分けができるようになります。
オーボエ初心者の楽器選びと「真の総コスト」

リードの壁を越えた次に待っているのが、オーボエ初心者にとって最大の「金銭的な壁」です。ここでは、楽器選びで絶対に失敗しないための知識(セミ/フルオートの違い)、具体的なおすすめモデル、そして競合記事が隠しがちな「初年度の総コスト」まで、お金に関する不安を徹底的に解消します。
「セミオート」と「フルオート」違いは?
オーボエの楽器を選ぶ上で、最初にして最大の分岐点が「セミオート」か「フルオート」か、というメカニズム(機構)の違いです。
専門用語で混乱しがちですが、読者の「どっちが罠なの?」という疑問に結論からお答えします。
初心者が選ぶべきは、99%「セミオート(セミ・オートマティック・システム)」です。
両者の違いを簡単にまとめます。
- セミオート (推奨)
- 構造が比較的シンプルで、扱いやすい。
- 調整が狂いにくい。
- 日本や世界の主流であり、指導者もこのタイプに慣れている。
- フルオート
- 特定の運指(指使い)が簡単になる機構が追加されている。
- 構造が非常に複雑で、メンテナンスが難しく、調整が狂いやすい。
- ドイツ式などの重厚な音色を求める上級者向け。
セミオートは、構造がシンプルで扱いやすいことから推奨されています。「無知による失敗」を避けるため、初心者は迷わず「セミオート」を選んでください。
初心者におすすめのオーボエ厳選モデル
「セミオート」を選ぶと決めても、次に「メーカー」や「価格帯」で悩みます。オーボエは木製(グラナディラ材)が主流のため、「割れ」のリスクが常につきまといます。
ここでは、初心者が安心して練習に集中できるよう、信頼性と耐久性に優れた定番モデルを、価格帯別に厳選して紹介します。
【初心者向けオーボエ・選定マトリクス】
| モデル名 | メーカー | 機構 | 素材 | 特徴・推奨理由 | 参考価格帯 |
| YOB-431M | ヤマハ | セミオート | デュエット・プラス(樹脂+木) | 割れに最強。湿度変化に強く、学校備品にもなるほどの信頼性。音程も良い。 | 40万円台 |
| Strasser 701 | マリゴ | セミオート | 木製(グラナディラ) | プロ御用達メーカーの学生モデル。吹きやすさを追求した設計。 | (要価格調査) |
| Prodige | ビュッフェ・クランポン | セミオート | デュエット・プラス系 | ヤマハ同様、割れにくい新素材(グリーンライン)を採用した初心者モデル。 | 40万円台 |
| OB-1500 | J.Michael | セミオート | 木製 | とにかく安価。ただし、調整の安定性や耐久性は上記に劣る可能性があり、プロの選定が望ましい。 | 10万円台 |
特にヤマハの「YOB-431M」は、管体の内側を樹脂で保護する「デュエット・プラス」技術を採用しており、初心者が直面しやすい「割れ」のリスクを大幅に軽減できるため、最初の1本として最も賢明な選択肢の一つです。
【全公開】初年度のリアルな総費用シミュ
読者の最大の不安、「結局、総額いくら握りしめておけばいいのか?」にお答えします。
楽器本体の価格(イニシャルコスト)だけでなく、リード代やレッスン代(ランニングコスト)を含めた「初年度にかかる真の総コスト」をシミュレーションしました。
これは、多くの競合記事が明確に示していない、しかし読者が最も知りたい「金銭的リスク」の全体像です。
【オーボエ初年度「真の総コスト」シミュレーション表】
| 項目 | 費用目安(松) | 費用目安(竹) | 費用目安(梅) | 備考 |
| 1. 楽器本体(初期) | 100万円~ | 約46万円 | 約15万円 | (松)マリゴ900等 (竹)ヤマハYOB-431M (梅)J.Michael OB-1500 |
| 2. 周辺機器(初期) | 3万円 | 2万円 | 1万円 | リードケース、スワブ、水入れ、譜面台など |
| 3. リード代(年間) | 12万円 | 6万円 | 3万6千円 | (松)月1万円 (竹)月5千円 (梅)月3千円 |
| 4. 学習費用(年間) | 24万円 | 7万円 | 3万円 | (松)個人レッスン月2回 (竹)ハイブリッド型(月1レッスン+DVD) (梅)DVD/教本のみ |
| 5. メンテナンス(年間) | 3万円 | 1万5千円 | 1万5千円 | 年1回の全体調整 |
| 初年度総額(目安) | 約142万円 | 約62万円 | 約24万円 |
ご覧の通り、最も安価な「梅」プランでも、年間3万円以上のリード代とメンテナンス代(ランニングコスト)は覚悟する必要があります。
「竹」プランの約62万円が、挫折リスクと品質のバランスが取れた、最も現実的なスタートラインと言えるでしょう。
中古楽器をおすすめしない決定的な理由
このシミュレーションを見て、「やっぱり高い…中古のオーボエではダメなのか?」と考えた方も多いでしょう。
結論から言えば、オーボエ初心者が中古楽器に手を出すのは非常にハイリスクであり、金銭的失敗を避けるためには推奨しません。
理由は、オーボエが他の楽器に比べて圧倒的にデリケートだからです。
中古がハイリスクな3つの理由
- 1. 「割れ」のリスク:木製楽器の宿命である「割れ」や「ヒビ」は、プロでなければ見抜けない微細なものである場合が多く、購入後に多額の修理費用がかかる可能性があります。
- 2. メカニズムの消耗:オーボエは非常に複雑なメカニズム(キー)を持っています。素人目には問題なくても、キーの連結部分が消耗し、調整がすぐに狂ってしまう「ハズレ」の楽器である可能性があります。
- 3. 木の品質(コンディション):前の所有者がどのような環境で、どれくらいの頻度でメンテナンスしていたか不明です。木のコンディションが悪ければ、楽器本来の音色が出せず、練習のモチベーションが低下します。
「安物買いの銭失い」となり、結局すぐに修理が必要になって高くついたり、音が出ないことで挫折してしまったりする可能性が高いのです。
「無知による失敗」を避けるためにも、最初の1本は、保証がしっかりしており、品質が安定している新品(特にヤマハの「デュエット・プラス」のような耐久性の高いモデル)を選ぶことを強く推奨します。
独学は無理?「最初の30日」練習ロードマップ

楽器とリードを手に入れても、「どう練習すれば挫折しないか」が次の不安ですよね。このセクションでは、「独学か教室か」という二元論に終止符を打ち、最も現実的で挫折しない「最初の30日」の練習ロードマップを具体的に提案します。
独学か教室か?最適なハイブリッド学習法
「オーボエは独学可能ですか?」という疑問は、コストを気にする初心者にとって最大の悩みです。
結論から言えば、独学は「可能」ですが「強く非推奨」です。
なぜなら、特に最初のアンブシュア(口の形)やリードの扱いは、一度プロに見てもらわないと「悪い癖」がつき、後で修正するのが非常に困難になるからです。
かといって、最初から高額なレッスンに通い続けるのもコスト的に不安でしょう。
そこで、この記事が最も推奨するのが、「基本(How-to)をDVDや教本で学び、要所(癖のチェック)だけプロのレッスンを利用する」という、最もコストパフォーマンスに優れた「ハイブリッド学習法」です。
現実的なハイブリッド学習プラン
- ステップ1(独学):まずはDVD教材などで、楽器の組み立て方、運指、呼吸法といった「知識」を学びます。
- ステップ2(答え合わせ):1ヶ月ほど自主練習したら、音楽教室の「体験レッスン」や「単発レッスン」を予約します。
- ステップ3(軌道修正):そこでプロに「自分のアンブシュアは間違っていないか」「変な癖はついていないか」を診断してもらい、軌道修正します。
これが、コストを抑えつつ「無知による失敗」を避ける、最も合理的な戦略です。
【Week 1-2】リードと音出しに集中
このハイブリッド学習法を前提とした、「挫折しないための最初の30日」の具体的なロードマップを紹介します。無計画な練習は挫折の元です。「何をしないか」を明確にすることが重要です。
Week 1: 「楽器に触らない」
- Goal: リードと友達になる。
- Action:
- 前のセクションで解説した「リードのサバイバル術」を実践します。
- 具体的には、「リードを正しく水に浸し(20-30秒)」「リード単体で『ピー』と鳴らす」練習だけを繰り返します。
- 同時に、教本やDVDを見て、楽器の組み立て方や持ち方を「予習」しておきます。
Week 2: 「音を出す(ロングトーン)」
- Goal: 楽器を正しく組み立て、最初の音を出す。
- Action:
- 予習した通りに楽器を組み立てます。
- 正しいアンブシュアと腹式呼吸を意識し、まずは一つの音を「長く、まっすぐ伸ばす(ロングトーン)」練習に挑戦します。
- この時点では、音がかすれたり、続かなくても問題ありません。
【Week 3-4】簡単な運指とプロの診断
最初の2週間で「音を出す」感覚が掴めてきたら、いよいよ指を動かし、そして「答え合わせ」に進みます。
Week 3: 「指を動かす(簡単な音階)」
- Goal: 最も簡単な運指を覚える。
- Action:
- ロングトーンが少し安定してきたら、指を動かします。
- 【超重要】 ここで多くの教本が推奨するB♭スケールや、複雑な「ハーフホール」の練習は絶対にしないでください。難易度が高く、挫折の元です。
- プロが推奨する、最も簡単な「ファ・ソ・ラ・シ♭・ド」の5つの音(F調)の運指だけを徹底的に反復練習します。
Week 4: 「答え合わせ(ハイブリッド学習)」
- Goal: 自分の「癖」をプロに診断してもらう。
- Action:
- 「ハイブリッド学習法」の実践です。
- 音楽教室の「体験レッスン」や「単発レッスン」を予約します。
- この3週間で身につけたアンブシュア、姿勢、リードの扱いが間違っていないか、プロの目でチェックしてもらいましょう。
初心者が陥る練習の罠(NGな練習法)
練習は「何をやるか」よりも「何をやらないか」が重要です。オーボエ初心者が陥りがちな「挫折直結のNGな練習法」を知っておきましょう。
- NG 1: いきなり難しい運指(ハーフホール)に挑戦するオーボエ特有の「ハーフホール」という左手人差し指を半分開ける運指は、初心者にとって最初の難関です。プロの指導者も「ハーフホールは後回し」と警告しています。まずは簡単な運指からマスターしましょう。
- NG 2: 基礎(ロングトーン)を疎かにして曲を練習する早く曲が吹きたい気持ちは分かりますが、オーボエは「音色」の楽器です。ロングトーンで音を安定させる練習を飛ばして曲に進むと、アンブシュアが崩れ、必ず伸び悩んで挫折します。
- NG 3: 間違ったアンブシュアで長時間練習する独学で最も危険なのがこれです。唇を強く噛みすぎたり、横に引いたりする「悪い癖」がついたまま練習を続けると、その癖を修正するのに何倍もの時間がかかります。
オーボエ初心者のよくある疑問を解決

これまでの解説で主な不安(難易度、リード、コスト、練習法)は解消されたかと思います。ここでは、「結局、自分に向いてる人って?」「リードの月々の費用は?」「おすすめの教本は?」など、オーボエ初心者が最後に抱く細かな疑問にQ&A形式でお答えします。
結局、オーボエに向いてる人はどんな人?
「肺活量に自信がない」「音楽未経験」といったことは、オーボエを始める上で決定的な障害にはなりません。それ以上に、オーボエという楽器の特性に向き合える「メンタリティ」が重要です。
以下のような思考を持つ人は、オーボエに非常に向いていると言えます。
1. 探究心があり、ロジカルな(合理的な)人
オーボエの難しさの9割は、日々コンディションが変わる「リード」にあります。「なぜ今日は鳴らないのか?」「湿度が原因か?」「水に浸す時間が短かったか?」と、原因を分析し、試行錯誤することを楽しめる探究心は最大の武器になります。
「無知による失敗を避け、ロジカルに対策したい」と考える合理的な人ほど、リードの問題をゲームのようにクリアしていけます。
2. 地道な努力をコツコツと続けられる人
オーボエは、残念ながら数週間で劇的に上達する楽器ではありません。毎日少しずつでもリードのコンディションを確認し、基礎であるロングトーンを続ける地道な作業が求められます。
「一生モノの趣味」として、結果を急がずにコツコツと取り組める忍耐強さがある人は、必ず上達します。
3. 「あの音色」に強く惚れ込んでいる人
最終的に、コストや練習の困難さを乗り越える最大のモチベーションは、「オーボエの、あの独特で哀愁のある音色が好きだ」という強い憧れです。
「難しいから」と諦めるのではなく、「あの音色が出せるなら」と困難を楽しめる人こそ、オーボエに向いている人と言えるでしょう。
リードの寿命は?月々のランニングコスト
オーボエ初心者にとって、楽器本体の次に気になるのが「リードの寿命」と、それにかかる継続的な費用(ランニングコスト)です。
リードの寿命
リードは消耗品です。
練習頻度、リードの個体差、保管状況によって大きく変わりますが、1本のリードの寿命は、およそ数週間~1ヶ月程度が目安です。
ただし、1本を毎日使い続けると寿命は急速に縮まります。前のセクションで解説した通り、常に3本程度をローテーションさせて使い、リードを休ませることで、1本あたりの寿命を延ばすことができます。
月々のリアルな「リード代」
常に良い状態のリードを3本程度キープし、古くなったものを買い替えていくことを考えると、月々に発生する「リード代」は以下のようになります。
- 月々のリード代(目安): 3,000円~10,000円
これは「初年度の総コスト」シミュレーションでも示した通り、楽器本体代とは別に、オーボエを続ける限り継続的に発生するランニングコストです。この「金銭的リスク」を始める前にしっかり認識しておくことが、後悔しないための重要なポイントです。
おすすめの教本やDVDはありますか?
前のセクションで提案した、コストを抑えつつ挫折を回避する「ハイブリッド学習法」を実践する上で、基礎を固めるための教本やDVDは非常に有効です。
特に、書籍だけの教本では伝わりにくい「アンブシュア(口の形)」や「呼吸法」は、映像で確認できるDVD教材が適しています。
例えば、「オーボエの美しい音色を手に入れるための上達講座」といった教材は、元ウィーン・フィル奏者も推薦しており、楽器の組み立て方からプロの手元、口元までを映像で繰り返し確認できます。
こうしたDVD教材で基礎(How-to)を学び、月1回でもプロのレッスンで「悪い癖」がついていないかをチェックしてもらう。
これが、オーボエ初心者が最も合理的かつ安全に上達できる学習プランです。
まとめ:オーボエ初心者が「挫折しない」最初の一歩

記事のポイント
- オーボエの難しさの核心は、肺活量より「息の圧」と「リードの扱い」にある
- 初心者は「柔らかめ」のリードを「最低3本」用意し、ローテーションさせる
- リードを水に浸す時間は「20~30秒」厳守。長時間の水浸しはNG
- 楽器選びは「セミオート」一択。ヤマハの割れにくいモデルが初心者におすすめ
- 楽器本体以外に、リード代(月3千~1万円)やメンテナンス代が継続的に発生する
- 初心者が中古楽器に手を出すのは「割れ」や「調整」のリスクが高く非推奨
- 独学は可能だが非推奨。「DVDでの基礎学習+プロの単発レッスン」が最適
- 最初の練習はロングトーンと簡単な運指(F調)に絞り、ハーフホールは避ける
- 地道な探究心(リード調整など)を楽しめる人がオーボエに向いている
総括
オーボエが「世界一難しい」と言われる理由は、繊細な「リード」の扱いや「高額なコスト」にあります。この記事では、オーボエ初心者が抱えるこれらの大きな不安に対し、具体的な解決策を提示してきました。
挫折の9割を占めるリードの扱い(水に浸すのは20-30秒)、楽器選び(初心者は「セミオート」一択)、隠されがちな「真の総コスト」、そして挫折しないための「ハイブリッド学習法」まで、挫折を避けるための具体的なロードマップは全て提示しました。
オーボエは確かに簡単な楽器ではありませんが、その先にある「オーケストラの質を決める」ほどの唯一無二の音色は、その労力に見合う「一生モノの趣味」となるはずです。
この記事という「地図」を手に入れたあなたは、もう「無知による失敗」を恐れる必要はありません。
いきなり対面レッスンはハードルが高い、という方は、本記事で推奨した『ハイブリッド学習法』を試してみませんか? まずは元ウィーン・フィル奏者も推薦するこのDVD教材で、自宅で安全に『最初の30日ロードマップ』を始めてみましょう。


